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FXトレーダーでボリンジャーバンド(Bollinger Bands)を知らない方はまずいないと思います。
しかし、ワークショップやセミナー、アカデミーなどで世界中のトレーダー数千人にお会いして来ましたが、これを「使っている」トレーダーは多いですが、「使いこなせている」トレーダーはそんなに多くないです。このようなことは「リテール(個人)FXトレーダーの8割以上は資金を減らしている」というひとつのファクターのような気がします(もちろんトレードは様々なファクターの上に成立するものですが)。
John A. Bollingerによって1980年代に発表された「平均+誤差の標準偏差」というトレンド系テクニカル指標であるボリンジャーバンドは、ミドルバンドがMA(Moving Average移動平均線)であるという考え方から、これを表示させることによって様々な判断基準をFXトレーディングにもたらすものです。
もちろんボリンジャーバンドだけでパーフェクトなトレードが自在にできるわけではありませんので、様々な他のテクニカルインジケーターとのコンビネーションでトレーディングを行うことになるのですが、できる限りトレードはシンプルに行うのが理想です。過度なテクニカルインジケーター依存症は、ストラテジー/エントリー/エグジットといったトレーディング行為の判断を甘くしてしまいがちです。
組み合わせとしては、ボリンジャーバンドはトレンド系テクニカルインジケーターですので、買われすぎ・売られすぎを示すオシレーター系はひとつ必要だと思います。ストキャスティクスやRSIなどですね。あと、ボリンジャーバンドのミドルバンドのパラメーターは20~25あたりがメジャーですから、これを中期線と位置づけるならば、短期線・長期線といったMAは組み合わせておいた方がいいですね。あとはMTF(マルチタイムフレーム)で複数のタイムフレームのボリンジャーバンドやMAを表示させれば、このくらいで最低限のセットアップはボリンジャートレードとしては十分だと思います。
では、ボリンジャーバンドをどのように使えばいいのでしょうか?
よく言われるのは「ボリンジャーバンドは偏差内にレートが留まる確率何%」ということだと思いますが、これをトレードに当てはめると、2σラインや3σラインで逆張ればいいということになります。ところが、実際はレートは動いているので、この偏差何%以内に留まる確率というのは全てのラインが横を向いているレンジ相場しか意味をなしません。そのため、考案者であるボリンジャー氏も逆張りは推奨していません。
そもそもボリンジャーバンドは、トレンド系のテクニカルインジケーターです。差益売買で利益化するFXトレーディングでは、「差益」が出なければ利益が出ません。差益を狙うためには、トレンド相場でトレードするのが一番分かりやすいです。
・MA(ミドルバンド)やレートの位置関係などを利用したトレンドとエントリー判断
・±2~3σラインを使ったブレイクアウトやエグジット判断
といったトレードへの使いかたの方が分かりやすく、利益を出しやすいと思います。幅が限定されている狭いレンジにおけるポジション建てはストレスメイクになるはずです。
例えばこれをどのように実践トレードに使うかというと、先週から今週にかけてのドル円1時間足ですが、
・104.10あたりで売りエントリー、103.40あたりでエグジット
・103.30あたりで売りエントリー、102.40あたりでエグジット
という2回のトレードができます。+150pipsくらいは取れると思います。1ロットでトレードすれば、15万円のプラスです。それ以外はトレード見送り。このような判断がボリンジャーバンドでできると思います。比較的簡単な判断です。FXで勝つためには、トレンドに乗ればいいんです。
もうひとつ見てみましょう。ポンド円1時間足です。同じように、
・171.30あたりで売りエントリー、168.80あたりでエグジット
というトレードができます。これは+250pipsくらいのビッグトレードです。1ロットでトレードすれば、25万円のプラスです。
104円あたりでドル円の買いポジションを持ち、はらはらしながら塩漬けている人も多いと聞きました。もちろんここから吹けば結果オーライで終わりますが、そのようなトレードスタイルでは資金は増えないと思います。やはり、トレンドが下へ向かった時は、下に張らなければいけないです。FXトレードで勝つ人は、トレンドをうまく見つけ、上手く乗ってる人です。そして、それをきっちりルール化している人。ルールなしにランダムにトレードして勝てるほど、FXは甘くないです。
ボリンジャーバンドを使い、トレンドを判断し、エントリー/エグジットをきっちりルール化すればいいんです。ちょっと難しいかな、という場合は、「BBトレーディングマスター」がきっちりそのあたりの考え方とルールをまとめているのでいいと思います。このあたりが、世界各国ですごく売れて、評価されてるポイントと思います。上のトレードよりはチャートはシンプルになりますが、ほぼこんな感じでエントリー/エグジットできると思います。